近所の風景(冬)

僕の妹
南アに来て妹ができるとは思わなかった。
そういえば僕の大学時代の友人は妹が12人いるとか言って、二次元(アニメ)の世界を楽しんでいたなぁ。。。
妹というのは学校のゲートすぐそばに家のある呑亭坊(ノンテーボ)だ。彼女の親が僕らに「あそこ行って遊んできな」とけしかけているような感じもあり、始終こやつが顔を出すようになったのだ。まぁ一時期ほどではないが。。。
彼女の芸才といったら来る度に僕らを笑わせてくれる。他の隊員とは「こいつぁ、日本で披露したら受けるぞ」と期待しているのだが。
そんな彼女はよく働く。家の手伝いはもちろん。たまにうちのことも手伝ってくれる。
これは靴磨き。おそらく明日から学校が始まるので、それに備えて自分の靴を磨いているのだろう。こっちの人は頻繁に靴を磨く。あれ、日本でもそうですか?革靴を常用していなかった(社会人経験のない)僕は知りません。



ハイビスカス通り

日本ほど庭木はないが、ごく稀にハイビスカスやデイゴの木を植えている家庭がある。生垣という概念がないのか、どこが道との境だ!?というようなオープンな家庭が多い。ハイビスカスは南国のイメージがあるが今は寒い。このハイビスカスは大輪で長年人間に愛でられてきた様子だが、道端で咲く小さく色の薄い可憐なハイビスカスも見かける。GraskopのGod's windowでみたハイビスカスは薄桃色で極めて小さく清楚な感じがした。今までで一番好きなハイビスカス。



屋根つくり
結構遅くまで自分の家の屋根の土台を作っている。写真を撮らせてくれ、と頼んだらR10くれー、だって。「夕日に映えてかっこいい」っていいながら撮っていたらまけてくれた。というか下りるのが面倒だったのだろう。こっちでは大工は屋根も葺かなくてはいけないらしい。日本では瓦職人なるプロがいるが、こっちではそれはないようだ。そもそも家を自分で建てている人も多い。だから結構レンガの積み方がアレなんです・・・


Mr.Rhoko
キャンパスの先生の中で一番なぞの多い男。パセリは一つ屋根の下に住んでいるが、それでも奴はわからん、という。そのため「女に会いに行っている」などと色沙汰を噂されることも多い。
黒の革ジャンを愛用し、気温35度の直射日光下でも脱がない。更なるなぞを呼ぶ。

彼はリンポポのかなり深い田舎出身でモパニワームと呼ばれる虫が好きだ。僕は残念ながらうまいとは思えなかった。



負んぶ

女の子の仲間連れできゃぴきゃぴ話しかけてきた。はじめ妹を背負っているのかと思ったら「私の子」だそうだ。
年齢は19歳だから一般的なのだが、なんせ顔があどけないせいか、少し驚いた。まぁヤンママであることには変わりない。
こっちではおぶ紐は用いず、タオルをこのようにして負ぶうのが一般的。道が悪いせいかベビーカーなんてのもみない。
彼女も慣れたものだったが、ベテランママはこんな感じ。


桃の花

今の時期咲いているのは春の植物。鮮やかなハイビスカスや、デイゴの花に紛れ見慣れた優しい色の花。桃の花である。
こっちでは果物として桃や杏が流通しており(日本の桃のように大きくて甘いものではないが。あれは芸術だ)、ごく稀に人家の庭先に桃の花を見かける。
やっぱりこの形、この色を見るとホッとするし、旧知に会った心地がする。
 
 


デイゴの仲間(Erythrina Lysistemon)

僕はデイゴという花を知らなかった。だから最初これが何の花なのか検討も付かなかった。勝手に最初花だけが咲きバナナのような花をつけるから「花バナナ」と呼んでいた。でもあるときにデイゴの花をみて「あぁあれはデイゴの仲間か!」と喜んだわけだ。これからはアフリカデイゴとでも呼んでおこう。枯れた大地に始めに花を添え葉がないのでとても目立つ。
  
  


ボッサン(Spathodea Campanulata

僕の家の前の大木がこのボッサンだ。ノウゼンカズラ科に属し、別のアフリカ諸国原産だ。つまり南アでは移民なのだ。日本でもノウゼンカズラの仲間はみられる。お化けみたく電柱なんかに絡まってオレンジの花を咲かせるやつだ。何でボッサンって呼んでいるかと言うと、夜になるとこの大柄な花がボッサン、ボッサンと次々と落ちて地面を埋めるからだ。

桜の花びらが落ちる音に耳を傾ける日本人からすると、なんとまぁ下品な散りざまよ、となかもしれないが、僕はその無骨さが好きだ。
ハイビスカス、デイゴ、ボッサンにしろ今の時期に咲くのは赤い花が多い。赤い花は鳥用のアピールだといわれるが、確かにボッサンの蜜量はすさまじい。だからボッサン、ボッサンていう重量級の音が出ちゃうんだけどね。


けんか

共同の水汲み場でなにやら野次馬ができていたので見に行ってみると、酔っ払いが喧嘩しているのだという。
そういうの見ても周りは止めない、ここぞとばかりにエンターテインメントを楽しむ。それにしてもみんな楽しそうに見よる。


今日も終わり

近所の丘の上から。ここまで走っていくと結構な運動になる。ここからは僕の活動圏が一望でき楽しい。
夕方になるとあちこちから煙が上がり、風に乗ってきた煙の香りが丘の上でも鼻をかすめる。
今の時期はとても乾燥しているので、走ってかいた汗があっという間に乾いてさっぱり。
誰もいない静かな場所、誰にも邪魔されない僕の隠れ家。