語学以外の課業

派遣前訓練では語学以外にも様々の講座が設けられている。
たとえば、JICAの事業概要であったり、国際協力について、異文化適応に関して、世界の宗教、また心身の管理法など。いくつか興味深いものがある中で一際興味をそそられたのは、貿易ゲームと異文化適応という講座である。今日は貿易ゲームについて。

貿易ゲームはもともと開発教育の一環として欧米で生み出されたもので、日本でも大学や企業の研修で使われているようだ。
このゲームの概要を以下に述べる。
いくつかのグループ(国)に分かれ、与えられたもので決められたものをグループ内で生産する(この与えられるものの有無や良量により、豊かな国と貧しき国を設定する)それを仮想市場でお金に変え、それを元に国のインフラや食糧などを獲得していくゲームである。単にこれだけならつまらぬゲームであるが、他国と協定を結んだり、共同で生産体制を整えることで、経済を活性化したり、加速させたりできる。また、標準のルールにJICA特有のルール:途上国へのODAや国際協力などを加え、極めて面白いものであった。

これで見えてくるのは、仮想であれ、現代の世界の縮図であるように感じた。紙も道具もない貧しい国(グループ)は他国(グループ)と協定も結べず、やる気がなくなったようだ。これは現実の世界にもいえることかもしれない。
また、今回のゲームで一番感じたことは、貧しい国は豊かな国のことを知らないし、その逆も然りということだ。それにより、勝手な創造が入り込み、貧しき国は豊かな国に夢を見、豊かなる国は貧しき国を哀れに思うという構造ができあがるのかもしれない。

僕ら青年海外協力隊の強みは、2年間という比較的長期にわたり、現地に溶け込み働けることにある。
豊かな国で育ち、幾分歪められた情報を受けてきた今までの価値観を洗いなおすいい機会である。

貿易ゲームの詳細は以下のサイトを参照ください。
http://www.jca.apc.org/unicefclub/unitopia/1999/boueki.htm