マルバネ村滞在記(家庭編)

学校が10日ほど休みになったので、生徒の家庭にお邪魔させていただくことにした。
目的は鶏小屋を作ること、また農地の整備、作付け。
丸羽(マルバネ)村は僕が滞在しているところからタクシーを乗り次いで1時間くらいのところ。
その近くにMukhudlu(ムクゥドゥ)という少し大きな町がある。
Mukhudluというのはマホガニーの一種で樹の名前からとったものである。
その地域一帯にその樹が多く生えているからそう呼ばれているようだ。
で、この樹の葉っぱが丸い羽状をしているのでマルバネに丸羽と付けた。
ちょっと回りくどいけど、そんな由来。
聞くところによると、人口千人くらいだそうだ。

今回お世話になったのは先日の日記にも登場したPrayerさんと、
その旦那さんで私立公園のガイドをしているBethuelさん。牧師との兼業。
子供は二人いるが両親に預けており、同居していない。
この家庭スタイルは南アではよくある。仕事で子供と一緒に過ごすことがなかなかできないのだ。
同僚の先生もみなそうだ。子供は親のところにいる。
日本のように幼稚園や託児所がほとんどないのもひとつの理由だろう。
というか、女性は未婚であることが結構ある。

最後の日に子供たちがPrayerさんの妹に連れられてやってきた。
Bethuelさんは嬉しそうに僕に子供を紹介してくれたが、
子供の方は久々に会う親父に少し困惑気味だった。

Bethuelさんは普段はLimpopo州(最北の州)で働いているので、一ヶ月に一週間だけ丸羽村の家に帰ってくる。
だからほとんどは、夫婦も別居しているのだ。
アパルトヘイト時代のスタイルが今も緩やかに継承されている。