燃料と飯

化石燃料(石油など)枯渇の声が世界で挙がって久しい。
それに変わる燃料の探索が色々な国や会社で行われている。
その中でも生きた生物から燃料を抽出するバイオ燃料がある。
これは大気中の二酸化炭素を生物が吸収して、それを燃料として利用するので、環境問題への取り組みとしても注目されている。

南アでも国を挙げて植物を用いたバイオ燃料への取り組みが4、5年前からされている。
しかし南アは貧富の格差が激しく、バイオ燃料への取り組みが新たな問題を生むことも指摘されている。
問題とは貧しい人々の食を圧迫するのではないか?ということである。
というのもバイオ燃料用の植物は農地を利用するからだ。
その分、彼らの主食であるトウモロコシが生産できなくなるというわけだ。
また、砂糖やトウモロコシからもエタノールが得られるが、
食用植物を用いた場合はもっと問題は顕著になる。

photo:IRIN
このトウモロコシ畑は誰のため何になる?

貧しい人がトウモロコシで困っている、裕福な人は車でそれを燃やし尽くす。
という表現がされていた。

しかし現在は刻々と研究が進んでいるようでJatropha(ナンヨウアブラギリ)というトウダイグサ科の植物が注目を浴びており、問題への解決が期待されている。
この植物は貧栄養かつ乾燥した環境でも生育可能であり、利用されてこなかった荒地でも栽培が可能である。
つまりトウモロコシを栽培するような農地を使わないので、人々の食を圧迫せずにすむとされる。

問題が生まれては解決され、解決されたら次の問題が生まれ、日々進んでいるんだな、と思わせる記事だった。
そういえば僕が研究していたアリ植物もトウダイグサ科だったなぁ。
たしかにトウダイグサ科の植物の果実は油が多い気がする。食べると松脂のような味がした。