語学

南アの隊員は他のアフリカ諸国の隊員と違い、現地語を研修で勉強しない。
というのは南アでは英語が広く通じるからだ。
小学校から英語を習い始め、高校から理数科の授業は英語で行われる。
だから僕なんかよりもずっと流暢だ。おまけにおしゃべりだ。
あ、これは英語だろうと現地語だろうと同じことか!

英語が通じるとはいえ、普段は現地語(僕のいる地域はスワジ語が主流)で話している。
職場でも僕ら日本人と話すとき意外は現地語が多い。
現地語が分からない僕としてはなんか悔しい。のけ者にされている感が否めない。
しかも現地語が分からないと彼らの真の姿が見えてこない気がする。


なので警備員のアナリーザ(写真真ん中)に先生になってもらうことにした。
この人は以前から現地語でポンポカポンポカと言葉を投げつけて来ていた。
それを勝手に「そうか、この人は僕に現地語を覚えてもらいたいのだな」と
都合よく解釈したのだ。思い込みがあたったのか快く引き受けてくれた。
しかし、教え方が怖い。
「えっ、えぇ!(←こっちの否定の仕方)つづりが違う、そうじゃない!」とすぐ怒鳴る。
日本の先生に教わってきた僕にはかなり凶暴な先生です。

警備員といっても日本の警備員のようにしっかり仕事しておらず、
(いやこういうと語弊があるな、力を抜くところはとことん地の果てまで抜いてしまう)、
仕事中に木陰で延々としゃべっている。その時間を頂戴している。

でもこの風景が僕は好きだ。
乾燥しているせいか、木陰が思う以上に涼しい。
そよそよと吹く風も高原を思わせる。
そんな場所にたまたま通りかかった生徒と警備員が椅子に座って、
緩やか〜な時間を過ごしているのだ。
ただいい場所があったから、たまたま一緒になったから、ちょっとおしゃべり。
時には携帯から音を出して踊ったり。
時々「うぇ〜な」(あなたという意味。初めて自分で聞いて覚えた単語。
一緒にいる仲間がなんか面白いことを言ったりしたときに発する、おまえ〜みたいな感じかな)
が聞こえてくる。
こういう時間の使い方はまねしたいところだ。