補習

注意:今日の記事は少し数字が出てきます。
頭が痛くなる人は読み飛ばしてください。

今日は休日だから少し遅くまで寝ていようと思ったのに、
教頭に起こされた。
なんでも数学の補習をして欲しい生徒がいるとか。
9時に来ると言うので急いで用意して独り休日の職員室でポツン。
もちろん9時を過ぎてもやってこない。
15分過ぎたころに悪びれるわけでもなくやって来た。
まぁ15分ならいい方だなと思って見ていると、
門のところで牛番アルファさんに携帯で写真を撮らせてなかなか職員室までやって来ない。
「やるなら早く来い!俺だってそんな暇じゃないんだから」というと、
「今日は忙しいの?どうして?何があるの?」と来たもんだ。
僕も特に理由があって忙しいわけじゃない。
自分の時間が欲しいだけなので答えに窮した。
こっちでは人の時間を割いて何かをしてもらうという意識を感じられない。
こういう端々にこっちの人の感覚が垣間見られる。

しかも教えている時に何も言わずに携帯に出るものだから、
「おいっ!電源切っとけ!」と怒鳴ると、
少しだけ申し訳なさそうに「ちょっと待って」という。
昨日はもっとひどかった。30分の間に5回くらい中断させられた。
まぁ昨日は本当に重要そうだったから許したが、
今日は友人のようだったので、断固切らせた。
こんな感じで携帯が気になって集中力に欠ける。
同僚の講師たちも集中力はなく10分黙っていたかと思うと、
「あー疲れた」と生徒や講師同士で話し始める。
ここでは僕の集中力が修験者のそれに値するかもしれない。

さて話を補習に戻そう。
彼女は中学校くらいから数学をとっていなかったらしく(取る取らないを選択できるらしい)、
掛け算割り算の、いや足し算引き算の概念が全くつかめていない。
例えば、
2.8kgのオレンジをR25.06で買いました。1kg当たりの値段はいくらでしょう?
という問題を、
2.8×25.06としてしまう。
その他にも、
ある機械を買うのに30%OFFでR3500かかりました。元の値段はいくらでしょう?
という問題を、
3500+30とする。
こっちの小学校教育の罪深さを感じる。
いったいどんな教育を受けてきたのか?
しかも説明していると、
「これは複雑すぎる、もっと簡単な公式や方法はないのか?」
と聞いていくる。
こっちでは公式を与えて当てはめさせて答えさせる問題が多いのでこうなるのだろう。
算数や数学というのは公式に当てはめる力を培うものではない。
論理的思考を培うものだ。
公式に数字を当てはめることだけに終始するので、
少し問題の文が変わるだけで解けなくなる。
こっちの人が数学が弱いのと、ひたすら喋り捲るのは関連がある気がする。
論理的な会話になっておらず、自己主張や主観で物事を議論するので、
なかなかお互いの意見が収束しない。
めちゃくちゃに喋り散らして結局最後は冗談を言って仲直り。
話の論点が逸らされて何の解決にもなっていないことがある。

なんだかFETカレッジだけやっていても埒が明かない気がする。
なので今度近くの小学校に見学に行ってみようと思う。
学童保育の先生をしていた人がいると聞いているので、
その人とも会ってみようと思う。
FETカレッジだけでどこまでできるのか疑問だ。
実際今は限界を感じている。

それでもちゃんと教えれば、
顔が明るくなって「そうかっ!」という表情を見せる。
「教えてくれればあたしだってできるじゃない」と。
そう、このキャンパスでは今まで数学の授業はなかったのだ。
彼女は今年卒業なので「どうして去年来てくれなかったのよ」とも言われた。
どうしてって。。。本当にこればかりは生徒をかわいそうに思う。