話し合い

昨日から学校が始まった。
とはいえ新入生の手続きやら、教科書の授受、進級の確認をする期間なので、
授業が始まったわけではない。
昨日はほとんど生徒はおらず、先生と清掃員がほぼ全員集まった。
おぉ、思った以上にみんなちゃんと来るんだなぁ。。。と驚いた。
今日は生徒たちも結構出てきて、キャンパスに活気が賑やかになった。
久しぶりーと言って、休暇はどうだったー?てな感じで再開を喜ぶのだ。

今日はJICAへの報告書の作成に向けて、校長と今後の計画について検討してきた。
大きくわけて3つ。

・図書室兼情報センターの設置
うちのキャンパスは前身の農業学校時代も含めると二十数年近い歴史があると聞く。
しかし、卒業後の進路がどうだとか、学校の歴史と呼ばれるものが殆ど資料として残っていない。
また、農業関係のことを知りたくともそれらを調べる資料は全くない。
学校なのに本と呼ばれる、あの紙をまとめて作った四角いやつが全くないのだ。
ただし部屋とお金はあるそうなので提案してみた。
雑誌なんかを置いて最新の情報を提供したり、就職情報を提示できるようになればいいなぁ、と思う。

カンニング習慣の排除
一度先生全員が集まって、どのような対策をすべきか、どんな罰則を共通して行うか、などを話し合ってみてはと提案。
カンニングに関してはよくないものとは認識しつつも習慣になっているため、先生の対処が甘くなりがちである。
生徒の言い分としては「先生たちだってカンニングをしてここまで来たんじゃないか!」と。
むむむ、なかなか賢い生徒ではないか。


・非効率的な作業の撤廃
半年間学校の授業の進め方を見ていて気付いたことがあったので、それを少しずつ様子を見ながら改善していきたい旨を述べた。
たとえば生徒一人ひとりに各教科ごとのファイルが配られており、テストや課題が返却されるたびに教員室にしまってあるファイルを生徒に配る。
これがまたとんだ時間を費やす作業で、箱に入ったファイルを生徒が一度にやって来て取るために、現場はカオス。
そのファイルにテストを収めていくのだが、順番が違うだのいちいち細かいことを気にして何のためにやってるのかわからない。
本来ファイルは生徒のためのものなのに生徒は容易に自分のファイルを閲覧できない。
結局そのファイルが何に使われるのかじーっと追っていったら、本部査察のときにできのいい生徒のファイルを引っ張ってきて提出するだけ。
テスト返却時にそれだけで一コマ潰れるくらい時間使っていながら、生徒は何にも得しない。

と、非効率的なシステムはいくつか存在するのでそれらをじわじわと相談しながら改善していけたらと思う。
ただし非効率的と僕が思ったところで、それは僕の認識の間違いの可能性があるので慎重に他の先生の意見を取り入れながら屋って行こうと思う。


それから校長が持っているキャンパスのビジョンについて。
これを聞いたときちょっと校長の様子がおかしかった。
言葉に詰まるというか、いきなりそんなこと聞かれたって!てなように目が泳いだ。
そもそもこれを聞いたのには、普段から校長のビジョンがあまりに不明瞭で、
キャンパスマネージャーという肩書きを持ちながら、マネジメントの方向性が僕ら教員に届いていない、という思いがあったからだ。
教頭的な立場の人には結構話しているのかもしれないけれど。。。
でも今回の話し合いでも垣間見えたことだが、彼ら(他の先生方)はどうせ手伝ってくれないから。。。という感じが受けて取れた。
スタッフ全員が力を合わせてキャンパスを盛り上げようという雰囲気ではないようだ。
ただこの辺は校長のやり方の問題なのであまり首を突っ込まないようにしたほうがいいのかも。。。

それでもこっちの人のいかんだろーなぁと思うのは、馬が合わない人とは仕事の上でも避けて通ろうとするところ。
気持ち悪いくらい馬が合わない人とは話さない。
僕のカウンターパートの無似師さんが顕著だ。ひとつエピソードを挙げて説明したい。
あるとき僕と無似師さんはテスト採点のことで分からないことが出たので、別のスタッフルームにいるトワラさん(教頭)を訪ねた。
するとトワラさんは不在でもう一人の教頭であるニギリシ(握り師)さんがいた。無似師さんは握り師さんとは非常に馬が合わない。
彼の言動から、握り師さんがジンバブエ人であることへの差別的な嫌悪を持っているように見える。
南ア人にとってのジンバブエ人は「仕事を奪う奴ら」という見方が一部であるようで、これは一般的に高い教育水準をもったジンバブエ人の雇用機会が多いことに起因する。
すると無似師さんは僕に小声で「お前が聞いてくれよ」という。その当時はあまり僕は人間関係が見えていなかったので「え!?なんで聞けばいいじゃないですか。」と言ってしまった。
すると「じゃ、別の人に聞いてくる」と無似師さんは部屋を出て行ったというわけだ。
ちょいちょいちょいちょい!完全に仕事に私情がはさまれてますよーっ!
とこういうエピソード。

多かれ少なかれ、皆そういうところがあるので、キャンパス全体が効率よく動くのは難しいことのように思える。