水不足

水が未だに手に入らないことによる、キャンパスの動物たちの影響は深刻だ。
昨日は牛が猛烈に「水がねーぞぅ!」と叫びだし、山羊たちもその狭間で「水がないよー」と叫んでいた。
牛は角をぶつけわずかな水を求め戦い始めた。
それでも動物を担当している握り師(ニギリシ)さんは、どうせ手に入らないからと行動する気配はない。
こういう平常心はまねたくないが凄いと思う。動じない。動物のことだからか。

あまりに牛の様子がおかしいので水を何とかして手に入れるため学校内を探し回った。
水はすぐに見つかった。いつも水を溜めておくタンクの底にかき集めれば、程度に残っていた。
タンクは結構大きいのでわずか数センチの高さの水でもかなりの量になる。
そこらに転がっているホースを使って理科の実験なんかでよくあるサイフォンで集めだした。


一週間はこれで何とかもつ。一生懸命集めた水を牛にやると、うまそうにゴッキュゴッキュ音を立てて呑み始めた。
弱いものは追いやられ順番を待つ。あげてもあげても飲む、飲む。相当に乾いていたようだ。

そんなこんなしていると、喰い尻さんが隣のバス会社の水道から水をもらえるように交渉してきてくれた。
決して動物のためではなく、自分たち人間の体を洗う用の(飲むことに関しては何とかなるので)。
水の問題は一時解決した。一時だが。。。