事務所長のはなし

南アフリカJICA事務所長は南部アフリカ地域の支援および調査を管轄する、JICA機関である。
そこの所長さんの話を聞いた。

淡々と話す中に、確固たる信念を事務所長から感じ取れた。
所長は南アフリカの格差問題に触れて、僕ら南アフリカ隊員に要求することを述べてくれた。
そういう問題の解決に隊員一人が影響を与えることなどほとんどできないが、
それを意識して行動するのとしないのではまったく成果が異なるということだ。

また僕らの使命として、各地に派遣された末端からの情報提供が要求されている。
ここでいう「情報」とは現地の「治安状況」や「商業的可能性」のことである。
治安状況は今後日本人が旅行や赴任で赴く場合などに用いられる。
一方、商業的可能性とはその場所に日本企業が入り、商売するときに、どのような需要があって、何ができるのかを簡単な情報として持っておくことである。
これは決して、発展途上の地域を喰らうということではなく、win-winの関係を持つことが重要という認識で行うものである。
地域の要求とは単なる一次的な要求ではなく、将来的なビジョンに基づく二次的ともいえるものである。
それら二次的な要求は草の根の活動から得られるものが多いだろう。
だからJOCVの情報が求められているのである。
そのような発展途上の地域に興味を持つ企業と共同して活動できれば、もっと大きな力で地域の活性化に貢献できるものと思われる。
アメリカのPeace Corps(アメリカのボランティアプロジェクト)ではこのような情報源としての意識が根付いているそうだ。
その点JOCVはまだまだあまい、とのこと。
以上のように目的意識を持つことで、他のアフリカ諸国より発展した南アフリカにおいても、JOCVはやるべきことがたくさん見つけられるということだ。
さらに南アフリカ一国だけで解決できるものばかりでなく、周辺の国を視野に入れて考えていかなければならないことも教えてくださった。
この辺はまだよくわからないけれども。。。