文化村

南アの民族を知るべく、Lesedi文化村へ行ってきた。

10時頃に着いたのだが、まだ開園前だった。
園内には入れたので、入り口のところで日向ぼっこしながら待った。
朝は寒いのだ。
そのうち民族衣装を着たパフォーマー達がちらほらと、面倒くさい感じを醸しながらぞろぞろと門のところで客の歓迎を始めた。

でもこのパフォーマー達、学生のバイトっぽいのに気合入っていて、園内の伝統家屋で寝泊りしているのだそうだ。
日本で言う住み込みバイトみたいなものか・・・


開園の少し前から木琴?(電気的な音がする)のような楽器と太鼓で音楽がなり始めた。

時折、この公園のお母ちゃん的な人がビーズ手芸をしながら、
アレレレレレレレレ〜♪と合いの手を入れる。
それがまたすごくいいのだ。しかも楽しそう。


南アフリカには9つの部族がある。
・Zulu ズールー
・Sotho ソト
・Venda ヴェンダ
・Xhoza コーサ 
・Swazi スワジ
・Tsonga ツォンガ
・Ndebele ンデベレ
・Tswana ツワナ
・Pedi ぺディ

そしてそれらの部族がそれぞれ別の言語を持つ。
南アではそれらの言語に、英語アフリカーンスが加わり、全部で11言語が公用語として認められている。
英語とアフリカーンスは外部から持ち込まれたまったく異なる言語であるが、他の9つの言語がお互い全然通じないか、というとそうでもない。
元をたどればバントゥー諸語にたどり着くので似ているらしい。
コーサはマンデラさんの出身部族が話す言語である。
この言語が持つ音は日本人にとってとても新鮮だと思う。
Xhoza自体どう発音するべきか迷うだろう。
吸着音というのがあって、舌を打ち鳴らしながらコーサって言う。
マイクはこの音をよく拾うから、マイクで話しているとやたら目立って面白い。

よく南アに来て聞かれることは、日本人はいくつの言語を話すんだ?ということ。
日本人にそんなこと聞くなんて愚問だな、と思いつつ、胸を張って
ひとつ
と答える。
日本語は美しい。これだけあれば日本では暮らせるのだ。何が悪い。
未だに日本語しか使いこなせない自分を恥じながらの強がってみる。
一方、南ア人のうち、アパルトヘイトを大人で経験している黒人はたいてい3言語以上は話せる。
自分の母語と、英語、アフリカーンス、そしてその他の部族の言語。
アパルトヘイト時代、南ア白人の言語であるアフリカーンスを離せないと職を得られなかったとホスト親父が言っていた。
そんな負の遺産が現在も時折垣間見える。


Lesedi文化村には上記の部族のうちズールー、ぺディ、ソト、ヴェンダの家や暮らしぶりを見ることができた。
と言っても、パフォーマンスなので生活感はなかった。
これはズールー族の衣装。殖民しにやってきた白人と戦った、気高き部族だ。


昔どっかの国で、ガラスの部屋で何日か生活したら懸賞金がもらえるというようなのがあったが、あれとどことなく似ている。
彼らの生活が見せ物なのだ。





左上から時計回りに、ぺディ、ズールー、ソト、ヴェンダ族の住居。
共通しているのは茅葺の屋根ということ。
あと円筒形をしているということ。
壁面はコンクリート
博物館で見た説明では、本物はシロアリの塚の土を練ってその中に植物の繊維を練りこませるようだ。
今でも街中に茅で葺いた屋根を見かける。
三匹の子豚を思い出した。