チョコちょうだい

昨日街に出かける時、学校のゲートで十八歳くらいの女生徒二人に鉢合わせた。
僕はこの生徒と話したことはまだない。
ところが、「街に行くなら私のためにチョコレート買ってちょうだい」
「え?どうして?」「いいじゃない、買ってきてよ」
「やだよ、君は僕のために何をしたというんだい?」
「何も」という感じのやり取りがあった。
こっちにきてこういう物乞いは日常茶飯事。
そもそも南アの僕のいるところに関しては、物乞いしなくちゃ生きていけない様な、
極貧の人は見当たらない。
近くの店に行っては「お前はビールを俺に奢らなくちゃいけない」
「えーーーっ!?なんで!?どこにそんな謂れがあるんだ!」
ってなやり取り。
なので、またか。。。と思って、適当にはいはい、忙しいからまたね。
とあしらってしまった。
そしたら今日はその生徒とても機嫌が悪うございましたよ。
「ハロー」「・・・」しかも一瞥して知らん顔。
むむむ、年頃の女の子は難しいな。

しかし、何なのだろう、この物乞い。
もしやこれはある種の挨拶なのだろうか?と思い始めた。
初めは、「初めて交わす記念すべき会話が、何かくれ、だなんて至極無礼なヤツだな」と思っていたら、
店でたむろしているやつらは9割が、学校の生徒は1割くらいがそんなヤツだ。
もうこれは一種の文化としか思えない。これが挨拶でその後のやり取りが生まれていく。
そう考えたら、少しやる気が出てきた。