毛談議

今日夕飯を作っていた時に親指に黒い棘が刺さっていることに気づいた。
物に触れるとちくちくと痛む。
何の棘だ?と詮索していると、他の指にも刺さっているではないか。
そうだ、今日は頭を丸めたから首周りやシャツに短い毛が付着しており、
それが刺さったのだ。僕の髪の毛はとても硬い。
皮膚が硬い手のひらにも刺さるほどなのだ。
こんな剛毛でしかも坊主だから、タワシだよ、とか言って擦る振りして笑わせている。
そのタワシのような頭を見て、ノンテーボとノンブーヨは綺麗だと言う。
髪の毛を切っていた今日だって、近寄ってきて綺麗だと羨ましそうに言う。
そう、彼女には僕の毛のようなストレートで艶のある髪の毛はない。
あるのは茶色い大地に、しっかりと根付いた藪のようだ。
僕は彼らの髪の毛を見るたびに秋の空の鰯雲を思い出す。
一様に生えるのではなく、なんとなくムラをもって生えているのだ。

写真はノンブーヨに言って僕のとノンテーボの頭を比較できるように撮ってもらったもの。
最近また遊びに来る子供が増えて賑やかになった。

先日パセリ(Mpahlele)さんに腋毛を見せてもらって驚いた。
腋毛は世界共通だと思っていたら、腋毛も日本のそれより、
巻きが強く背が低い。高山植物のハイマツのように低く密な感じ。
日本人のは放置された土地に生えた葛かな。
「ステップとフォレストだねー」とか言って盛り上がっていた。
日本のアダルトビデオは毛が濃すぎる!フォレスト!とか言って憤っていたから、
たぶん下の毛もそん感じなのだろう。
毛はその土地の雰囲気に似るのだろうか。。。
と熱帯のブラジルやインドネシアまで思いをめぐらせて興奮していた。

話を髪の毛に戻すと、こっちの人はヘアスタイルのバラエティに欠けるせいか、
女の人は8,9割カツラをかぶっている。
自然毛でおしゃれをするには編みこむしかない。
でもそれだと洗うことが出来ず、不便なようでカツラという道を選んだようだ。
夕方頃になるとカツラが疲れてくるのか、ズレが目立ってくる。
「あれ!?浮いてないか?」ってな具合。
このカツラ文化を見るにつけ思うのは、ストレートな髪への憧れのすごさである。
彼らが自分の髪を気に入っていないとは思っても見なかった。

ちなみにこっちの人の抜け毛は5ミリくらいのきれいな輪っかになって落ちる。
最初はたくさん落ちている○、○、○、○(ちょうどこれくらいか)が不思議だった。
シャワールームなどに落ちているものだから、すぐに気づいた。
これなら排水溝で詰まることもなさそうだなぁ、なんて思ったりしてね。