マルバネ村滞在記(子供編)

こっちの子供はよく働く。さも当然のように働く。
Prayerさんのうちに子供は住んでいないが、どこからともなく集まってきて、
大人に命令されて働いていた。
帰るときにお菓子やアーチャ(マンゴーの醗酵食品)をもらっていたのでそれが報酬なのだろう。
小屋を解体したので庭には釘が散らばっていると言うのに裸足で駆け回っている。
見ているこっちがハラハラ。
穴の開いた服を着て、鼻の下にカピカピに乾いた鼻水付けて元気に働く。
僕の任地周辺の子供はもう少し都会のせいか、僕を見たら、
「中国人」だとか「白人」だとか結構からかってきて、
うるさいくらいに元気だが、マルバネ村の子供はそういうことは言わない。
結構恥ずかしがって最初は近寄らなかったり、話しかけてももじもじしている。
でも打ち解けてくると体に触れてきたりして、ちょっかいを出してくる。
かわいい。

上級生と下級生が、頭をくっつけながらひとつの教科書で勉強している風景を何度か目にした。
毎日手伝いに来る男の子で不思議な雰囲気を持つ子がいた。Sicline君。

こっちの人にしては珍しく無口。友達としゃべるときも蚊が鳴くように優しくしゃべる。
彼と二人で日が沈んだ後、庭に寝転がっていた。
彼との間になんか懐かしいものを感じた。沈黙でいられるこの感覚。久々。
そんな彼は何かを考えているようでもあった。