人々

松葉杖をついたバジル

隣に住む会計士のオバちゃん(といっても僕と同じか若いくらい)のところに学校の長期休暇を使って中学生の甥ポライト君が来ている。いつも暇そうに一人で校内を一日中ぶらぶらしている。しかもいつも何か食べ物を欲しそうな顔や挙動をしている。 ある日この…

任地に帰る

まだ朝の気配はない、夜が満ちている。 外は柔らかな雨の音でいっぱいだ。 任地で降る雨はたいてい豪快なものが多いので、こういう穏やかな雨も久しぶりだ。 昨日話した内容がまだ頭の近辺をウロウロしているせいか、目覚めは良かった。 ゲストハウスのマダ…

たくさん日本語で話す

さて二日目は主目的の技術顧問の先生にお会いし、現状の問題点などを聞いてもらいアドバイスを頂戴することだ。 本当は技術顧問の方が任地を視察しに来る予定だったが、都合が悪くなりそれがかなわなくなってしまったのだ。 キャンパスを見てもらえなかった…

パキスタン人の店の被害

まだストライキは続いているので夜でも外はにぎやかだ。 たくさん動いたせいで疲れ、四阿で休んでいると、ナトリウムランプでオレンジに色付けされた暗がりから妙な音が聞こえてきた。 ものを激しく破壊する音。100mくらい離れた店の方だ。 喰い尻さんが…

汚職まみれ

チャーリーさんから聞いた話では、かつて僕の任地では大きな水道管工事が行われ、貯水タンクまで設けられたそうだ。 これが完成すれば近隣住民は水の獲得が格段に楽になる。 しかしもう少しで完成というところで莫大な施工資金が横領され、この計画は流れて…

パセリの夢

今日は生徒が殆ど教室にやってこなかった。 集まったのは一時間目だけ。 最近は生徒会の選挙があったせいか、授業がまともにできない。そんなこんなでムニシさんと二人で日本の写真を見ながら、ちょっとした日本紹介をした。生徒がキャンパスにいなくなって…

僕のカウンターパート2

今までムニシさんの事をあまり良く書いたことはない。 かつての記事。 僕のカウンターパート1 一ヶ月 無似師など。それはムニシさんに魅力がないからではなく、僕の観察力のなさから来るものだと最近気がついた。 一度先入観を持つとそれにしがみ付いてなか…

日本のこと

その中にノジポさんという女性がいる。 彼女の話し方はとても綺麗。 話している人の意見をじっくり聞き、それを自分の中に入れてから返す。 なんだか癒される。と同時にカシコマッテシマウ。 こっちの人の多くは言いたい放題な感じだったからなぁ。また彼女…

工事中

僕のキャンパスには農業系の生徒の他に、FETではない外部の機関の援助を受けて授業を受けている生徒がいる。 彼らは建設学を学んでいる。 今日はそんな彼らの実習風景を見学させてもらった。 肌を突き刺すようなガンガン照りの最中でも彼らは家を作るときの…

アジの味

パセリと買い物に行った。 冷凍コーナーのところにアジの冷凍が並んでいた。 10尾入って160円。圧倒的な安さ。 しかし南アフリカでアジと出会えるとは。最近職員室で水産業の話題で盛り上がったことがある。 パセリは水産業にも興味があるらしい。 なんでも…

草原農場

今日はパセリの教会メンバーで、叔父から農地を譲り受け農業を営んでいる方を訪ねた。 一度Hazyviewにでてコンビタクシーを乗り継いでいくのだが、パセリはどこへ行くのか知らない。 もちろん僕らも知らない。 それでもちゃんとタクシー乗り場には別の教会メ…

プトジェクトハウス

食べながら帰路についたが、行ってみたい所があったので、道路から外れて村のほうへ入っていった。 道路沿いに看板が出ていた幼稚園である。 夕方のこの時間は村の路地は子供で賑わっている。 鼻水たらして目を輝かせて。 鼻水乾いてカピカピだって気にしな…

もろこしのためならえんやこら

夕方畑仕事に行くかと長靴を履いて準備していると、 買いたいものがあるから付いてきてくれ、と言う。 パセリに付いていくと必ずと言っていいほど発見があり面白ので、 最近は何か誘われると付いていく。 僕の住む町。左に写っているのがメインの幹線道路。 …

同期隊員

都市に上がった。 ちょうどジャカランダが盛りの時期で街全体が、 華やかな感じだった。 ジャカランダは地面も彩ってくれる。JICAボランティアには3ヶ月ルールがある。 赴任後3ヶ月は自分の任地を離れてはならない、というものだ。 今月の21日がその期限が…

給料なしのアルファさん

先日先生たちの給料日があったようだが、アルファさんの給料はいまだに出ていないようだ。 うちの職場ではないが、8ヶ月も給料が出ていない人もいるらしい。 それでもみんな生活できるところがここのすごいところ。 平日の昼真っから町の酒場には何人かの男…

怪しい人

今週末は少し疲れていたので、洗濯だけ済ませ、ゆっくり部屋にこもって本を読んでいた。 司馬遼太郎という作家は本当にすごい。なぜあそこまで人の機微を的確に捉え、表現できるのか? 人物の描写や人々のやりとりがとても活き活きとしていて、これからどう…

苺が好き

昨日のパセリの事は少し残念だが、パセリ自身にとってはチャンスなので応援したい。 地方の農業衛生に関する仕事に就くことを考えているようだ。 将来的に自分で農業を経営したいということなので、地方のニーズが分かる上、 農業従事者と繋がることができる…

パセリの思惑

いつも通り職員室で仕事をしていたら、パセリが警察に行くから付いてきてくれ、と。 同僚たちもこっちではあまり一人行動をしたがらず、ちょっとそこまで買い物に行くのでも誰かを誘う。 1人でいるのを嫌う。いつだって話し相手が欲しいのだそうだ。初めて…

牛番アルファさん

昨日職員室で仕事をしていると窓の外を牛が、続いてヤギが。。。 牛・山羊番のα(アルファさん)が放牧しているらしい。 先日、出たばかりのサトイモの芽が二度ヤギに食われている。 ちょ、ちょ、ちょ、ちょーーーーっと! ホントやめてね、ヤギっこ! アルフ…

フェンス越しの交流

フェンス越しの交流僕の任地であり、住処でもあるムティンバキャンパス。 この敷地は警備員の小屋のあるゲートひとつを除いて、ぐるっと周辺をフェンスと鉄条網で囲われている。 南アでは特に珍しいことではない。個人の家などにも電気を流した鉄線が張られ…

マルバネ村滞在記(子供編)

こっちの子供はよく働く。さも当然のように働く。 Prayerさんのうちに子供は住んでいないが、どこからともなく集まってきて、 大人に命令されて働いていた。 帰るときにお菓子やアーチャ(マンゴーの醗酵食品)をもらっていたのでそれが報酬なのだろう。 小屋…

South African Disabled Musicians Association(SADMA)

There is English text at bottom of this page.今日僕のキャンパスで障害者のための音楽コンテストがASDMAによって開かれた。 会場にはいろんな障害を持った人たちが集まった。盲、聾に四肢障害(重度の知的障害はいなかったが、軽度はいたと思う)の人たち…

アジアへの興味

無似師さんが本を見せてくれた。 中国の本だ。 ひとつは「THE ART OF WAR」孫子の兵法書だ。 「えー!?何でそんなもの持ってるの!?」 と正直仰天である。 単なる呑んだ暮れダメ親父かと?少しだけ"思っていたので。 結構、学があるのかなと思って、 「読ん…

無似師

今日も無人師(無いがごとし(似)の人(師)なので今後ムニシ(僕のカウンターパート)さんのことをこう書く) さんと言い合った。 先日の査察の結果表を得意げに見せてきたので、 「なんだ、そんなの形だけで僕らは何も得ていないし、良くもなっていないじゃ…

白黒中間

黄色人種である僕は彼らの目にはホワイトとして映るようだ。 彼らは人を白と黒の二色に分けたがる。 表面にはあまり出てこないが、かつて肌の色で差別されてきた記憶が彼らの中にあるのは確かだ。 そしてそれはさまざまな形で現れてくる。今日も職場でこんな…

視察準備

最近ムニシさんを見かけなかったが、今日久しぶりに学校へ来た。 なぜ来たかというと、明日視察が入るからだ。 その準備をしにだけ来たのだ。 ムニシさんは本部の人間には弱い。 本部から人がくるとわかると、そればかりを僕に強調し、 仕事を指示してくる。…

鶏小屋

今日もストライキが続いていて学校には人が殆どいなかった。 何も怯えることのなくなった野生鶏が餌を探しながら闊歩していた。そんな寂れた学校にも生きている鶏と山羊、牛がいるので、担当の生徒だけはちゃんと時間には来て面倒を見ていた。 彼らは動物の…

ストライキと鶏

今日はムチンバキャンパスはストライキでゲートが閉まったままだった。 ガードの人がゲートのところにいて、生徒が来ても中には入れない。 やることをなくした生徒は少しその場にとどまって、談笑した後帰る。 キャンパス・マネージャー(キャンパスのトップ…

ブランコ

僕の家は学校の中にあり、主にその中で生活している。 学校の中に子供は住んでいないが、近所にはワンサカいる。 昔は学校のフェンスに穴を開けて子供がよく出入りしていたそうだが、 セキュリティが厳しくなったのと、そうして遊んでいた世代が大きくなった…

嬉しい言葉

今朝テストの結果を張り出していたら、 Khwidzhiliさんが興味深そうに近寄ってきた。 僕が作った得点の頻度グラフが気になったようだ。 こんな風に自分が持ってきたやり方に興味を持ってもらえると嬉しい。 「こういう意味でしょ?」「俺もやりたいから教え…