Barberton チャンチュンチョン

Ehlanzeni区のFETの先生たちのためのスポーツ大会があった。
場所はBarberton。
知らないうちに教頭先生に行くぞ、と言われ、着いたらとても綺麗な場所だった。

背景に山が霞み、小さな丘に緑と花の色がある。どこか日本の風景に似ている。
紫の花はジャカランダ。そのうちこの花についても記事を書く。
ジャカランダは紫色だけれど、これを薄桃色に変えたら日本の里の風景と同じだよ、とパセリに教えた。
パセリは半ば感心したように「おぉ、ジャパニーズ」と言っていた。
よく分からない反応がまたいい。

プレトリアヨハネスブルクと任地しか知らない僕は、南アにもこんなに落ち着いて穏やかな風景があるんだな、
なんて思って、まだまだ南アの何も見ていないなと感じた。

そんな綺麗な場所に運動場はあった。


広くて芝生が綺麗に整備されたコートが一つ、ちょっと荒れた芝生だがもう一つコートがあった。
日陰になる観客席もちゃんとあった。

さっそく一つのボールに人が群がり準備運動。
練習は特に戦略的なことをやるわけではなく、ボール回しや鳥かご。
2チームに分かれてボールの取り合いとキープ。
球の扱いはみんな本当に上手。足で自由に球を捌く。
でも長距離のキックやトラップ、チームワークはあまりよくない。

一試合が45分×2もあるもんだから、一試合で僕はリタイア。
こっちの人は普段動いてるわけでもないのに、体力すごい。
一日に90分の試合を二つもこなせる。年齢だって若くないのに。

さらになんとアナウンサー付き。
少し喧しい。
しかもこのアナウンサーが曲者で、
僕が球をキープしている間中、
「チャンチュンチョン」とアジア人を小ばかにする言葉を連呼していた。
公然とこういうことを言われると呆れるしかない。
お前は子供か?と。
その後もずーっとあまりにも酷かったので先輩隊員がアナウンサーを注意してくれた。
僕は試合中だということもあり、そのまま流そうと思っていた。
でも先輩隊員がはっきり言ってくれたことを試合の後で聞いて、
はっとした。戦わなければ、と。
それにしても周りにいた僕らのことをよく知っている先生たちの誰一人として、
アナウンサーを止めなかったことが少しだけ悲しかった。
僕はまだ赴任して3ヶ月と日が浅いから彼らにそんな期待も持っていないし、
信頼関係も浅いのでしょうがないと納得できる。
でも2年近く彼らと共に働いてきた先輩隊員にとっては、とても悔しかったろうと思う。
2年近くも一緒に仕事していて、彼らにそういうことを平気で言わせてしまっている自分が悔しい。
と言っていた。僕も帰る直前で言われたらものすごい悔しさを感じただろう。
そうならないためにも、日々「チャンチュンチョン」と戦わねばならない。
という訳で、僕もアナウンサーに直接半ば呆れながらも、
「本気でそりゃ悲しいからやめてくれ」と言わせてもらった。
その後は言わなくなったので、まぁよしとしよう。