怪しい人

今週末は少し疲れていたので、洗濯だけ済ませ、ゆっくり部屋にこもって本を読んでいた。
司馬遼太郎という作家は本当にすごい。なぜあそこまで人の機微を的確に捉え、表現できるのか?
人物の描写や人々のやりとりがとても活き活きとしていて、これからどうなるのだろうとワクワクさせてくれる。

少し目が疲れたので、散歩に出た。
やはり土地が変われば季節感も変わるのか、
今はここ春のはずなのに空が秋の風情を醸していることがある。
空が高いのだ。
標高が高いせいか、午前中は霧が出て涼しいことがある。
牛が霧の中で草を食んでいる様はまるで高原。

例のごとくBhekisuwago山へ向かうと、途中以前遊んだ小学生が3人引っ付いてきて、
別の山を案内してくれると言う。
それはありがたい、是非ということで、草原の中を4人で歩いた。
途中、背負っていたザックを下ろされ、代わりに疲れて歩けなくなったチビっ子を背負わされた。
このチビっ子懐っこくて歩いているときも手を掴んでくる。
これはかわいいなぁ、と思う。

ようやく着いたがチビっ子たちは山へは登らず、1人だけちょこっと様子を見てきた。
素晴らしい!
低い岩山だがどことなく重厚感があってBhekisuwagoにはない雰囲気だ。
草原は家もなくただだだっ広くて、点々と生えている形のユニークな潅木が涼しげな影を作ってくれる。
帰り道、4人の怪しげな男たちが近寄ってきた。
近くで砂(食用の川床土:後日記事掲載)を採集していた男たちだ。
挟み撃ちしてくるように来たものだから、構えてしまった。
なにせこっちはチビっ子少女3人に頼りない男1人なのだ。
どうしよーとあれこれ考えていたら、1人が挨拶してきた。
どうやら怪しいのは僕だったようで、変なアジア人が少女3人を誑かし連れ去ろうとしている、
と彼らは思っていたようでした。
確かに冷静に考えてみたら、一番怪しいのは僕か!
やられたぜ!