雹がきた!


「空の家」でチャーリーさんと話している間、雹が降ってきた。
それもジャンボ特大。
トタンで覆われた屋根が騒がしく鳴った。
周りにいた子供たちは大雨と雹が降りしきる中、雹を拾いに芝生の上を駆け回っていた。
テラスに戻っては僕に「見て」と見せに来てくれ、
「大きいなぁ」と応えると、今度は別の子が、
「・・・」と無言で更に大きな雹を見せてくれた。
さらに「・・・」と「・・・」と「・・・」とみんな無言で、
雹の大きさを勝負し始めた。
みんなの口に目をやるとおいしそうに雹を食んでいる。
つられて僕も口に入れるとなんだか優しい味がした。
まろやかな氷。冷蔵庫の氷とは全く舌触りが違う。
あぁ長旅ご苦労さま、君はとても旨いよ。
と子供が周りをぶんぶん飛び回る中、一人感慨に耽ってしまった。

しばらくすると更に雹の塊は大きくなり、雪合戦ならぬ雹合戦が始まった。
小雨は降りながらも重そうな雨雲は通り過ぎ、黄の強い陽が射した。
雨に濡れその光を返す子供たちの肌が美しかった。
しっかし、あんな硬いものがあたって痛くないのかねぇ?
逞しいなぁ。