草原農場

今日はパセリの教会メンバーで、叔父から農地を譲り受け農業を営んでいる方を訪ねた。
一度Hazyviewにでてコンビタクシーを乗り継いでいくのだが、パセリはどこへ行くのか知らない。
もちろん僕らも知らない。
それでもちゃんとタクシー乗り場には別の教会メンバーが待っていて、
タクシーの運ちゃんのところに案内してくれ、どこどこで降ろしてやってくれと指示してくれた。
こっちは情報が直接手に入らなくとも、必ず人を介して手に入れることができるようだ。
「蜘蛛の巣の上に人が乗っかっている」の図が思い浮かんだ。
糸を手繰り寄せれば人がつかまり、さらにその人が糸を手繰り寄せれば目的の人にたどり着く。
あぁなんと素晴らしいシステム。面倒くさいけど、その過程で人に出会える。

15分くらい走って、何にもないところに降ろされた。

9月に訪れたPrayerさんのうちの近く。その周辺はトウモロコシやキャベツ畑が連なる。
最近雲は午前の早々に退散し、午後は全く太陽を隠す気を感じられない。
ここぞとばかりに太陽が燦々し、肌が痛い。
痛いと言うと太陽の思う壺なので、気持ちいいと言ってみる。
すると爬虫類になった気分で気持ちよくなってくる。そう、僕は亀だ。
木陰ではパセリと相棒がちょこんと座っている。それもまた気持ちよさそうだ。



しばらく待っていると農場の彼がやってきて、いよいよ農場へ案内してくれた。
草原を20分くらい歩くと果たして彼の農場が広がっていた。
広い。今育てられているのはトウモロコシ、唐辛子、カボチャ。
唐辛子とトウモロコシはよく育っていた。


青々と作物で覆われた大地は活き活きとして美しい。
カボチャは実付があまりよくなかった。
今の時期は蜂は活発だから問題ないと思うのだが、
一応人工授粉というのもあることを伝え、やり方も説明した。
それからキャベツが収穫時期なのだが、虫の被害をかなり受けていて酷かった。

それから潅水システム。南アに昔から伝わる方法を用いていた。
斜面の上部からにょろにょろとホースを引っ張ってきて、
畑の近くの溝に流し更に支流に沿って畝と畝の間に流し込んでいく。
しかしこの方法、すぐに溝が埋まってしまい、流れが変わり、
かなりの水のロスがある。しかもムラが多い。
水が行っているところはよく育っていたが、行かないところは雑草たちの王国と化していた。
また雑草の多さ。パセリもずばずば言うやつで雑草を取り除かなきゃ、害虫コントロールしなきゃ!
と何度も言っていた。そのたびに農場の彼は苦笑い。いやー実にかわすのが巧い。

収入は月1万円。うちのキャンパスの先生の給料が12万超だからあまりいいとは言えないだろう。
それでもこの人は恵まれている。叔父から土地を譲り受けることができたからだ。
多くの黒人の人々は土地が持てず、自分で農業を経営することができない。農家になれないのだ。
この人ももう少し、巧くやれば収入は2倍も3倍にもなると思うのだがなぁ。

最後にこっちにも案山子があった。


なんか妙な怖さがあり、鳥が人と同じような恐怖を感じるなら近寄らないだろうな、と思ったよ。
左のなんか髪の毛まであるし。形自体は凝ってないんだが、服の着せ方が巧い。
右のほうは足があるみたい。左は幽霊みたいに足が流れてる。