日本のこと

その中にノジポさんという女性がいる。
彼女の話し方はとても綺麗。
話している人の意見をじっくり聞き、それを自分の中に入れてから返す。
なんだか癒される。と同時にカシコマッテシマウ。
こっちの人の多くは言いたい放題な感じだったからなぁ。

また彼女は日本に興味があるようで、色々と質問をしてきた。
日本の写真を見たいとか、日本語のことや文字のこと映画のこと。
いつか行ってみたいとも言ってくれた。
こっちに来てからそういう風に日本に興味を持ってくれる人がいなかったので、
とても嬉しかった。

たとえ日本に興味を持ってくれたとしても、
「日本人と結婚したい」とか「日本に行けば金が手に入る」とかの類だった。
正直言ってこういったことは嬉しくない。
それから今のところ悲しい事のNo.1は、
日本は素晴らしい国だ!と力説する人がたまにいて、
何が素晴らしいの?と聞くと、
「高いテクノロジー水準にリッチ」しか出てこないところ。
僕自身、国の真価は物質的に豊かであることではないと思っているので、
(あくまでそれは結果)
そういうところしかないのかな、と思うと悲しいのだ。
僕が帰る頃には何か物質的なものではない価値を日本に見つけてもらえたら幸せだなぁ、と思っている。
でも最近は寿司を食べてもらって以来、周りの人が少しだけ日本に興味を持ってくれたかな、と感じている。
その証拠に、喰い尻さんは日本の料理について聞いては、「たくさん調理法があるんだなぁ」とか、
日本に行って学びたいと言ってくれる。

パセリにいたってはあれだけ新しいものに手をつけなかったのにアジの塩焼きを食ってくれたし、
日本の地図を書いて説明したときは興味深く聞いてくれた。
なんか嬉しいことばかりだ。